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福澤 健二(ふくざわ けんじ)

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研究内容

表面構造を分子スケールで制御して,画期的な微小機械を実現する

主な研究と特長

近年マイクロメートルスケールの機械デバイスであるマイクロマシンが盛んに研究され,広い分野で成果を上げている.さらに,最近では,ナノテクノロジーの研究の進展にともない,原子や分子を機械要素とした機械デバイスであるナノマシンも研究の視野に入ってきた.こうした微小機械をベースにした機械デバイスは,従来のマクロなスケールの機械では困難な画期的な特性,あるいは全く異なる動作原理を実現し,機械工学の新分野を開拓する技術領域として期待されている.

機械要素が微小化してくると,従来のマクロスケールの機械要素に比べ,表面の効果がより大きくなってくる.そして,表面同士の相互作用が支配的になると,バルク間の相互作用に比べ,分子スケールのミクロな表面構造や原子・分子スケールの表面間相互作用をより強く反映した機械特性となる.すなわち,微小機械の世界においては,分子スケールのミクロな表面構造や相互作用で機械特性が支配されることになる.一方,実用レベルの分野においても,同様の点が議論されている.例えば,磁気ディスク装置(ハードディスクドライブ)の分野においては,ヘッド・ディスク間のすきまは5nm以下が要請されており,潤滑膜は単分子層あるいはそれ以下の極薄の液体膜を用いる必要がある.潤滑膜の分子スケールの構造が,ヘッド・ディスクの潤滑特性,ひいては情報記録密度の向上に支配的な因子となっている.

以上のような背景の下,微小機械において,分子スケールの表面構造・相互作用と機械特性の相関を解明し,さらに,分子スケールの表面構造や相互作用を制御して画期的な性能を持つ微小機械を実現することを目的に,以下の研究を進めている.

1.微小機械要素間に働く力学相互作用の計測法

分子スケールの表面構造と機械特性の相関を解明するには,まず第一に,微小機械要素間に働く表面力をミクロ領域で高感度に計測する必要がある.しかも,微小機械の動作時を想定すると,動的な特性を計測する必要がある.そこで,分子を塗布した光ファイバと別の分子を塗布した薄膜状の基板を近接させ,光ファイバあるいは基板を加振することにより,2種の分子が相対運動したときに表面分子間に働く力を高感度に計測する方法の確立を行っている.光ファイバの先端を先鋭化することにより,相互作用の領域をミクロな領域に限定する.この計測法により,ナノトライボロジー・ナノレオロジー特性などの機械特性が分子スケールの表面構造とどう関係しているかを解明している.また,本測定でさらなる高感度化を図るために,マイクロマシン技術によるマイクロメカニカル・プローブの試作も進めている(名大マイクロ・ナノシステム工学専攻佐藤研と共同研究).

2.分子スケールの表面構造の形成法

表面構造で微小機械の機械特性を制御するには,所望の分子スケールの表面構造を形成する技術が必要である.そこで,表面に分子スケールの物理的あるいは化学的な構造の形成法の確立を進めている.表面構造の形成には,走査型プローブ顕微鏡と試料面との相互作用を利用して加工する方法,あるいは近接場光学を利用した微小な領域の光化学反応を利用した方法を用いる.

3.分子スケールの構造の直接可視化技術

分子スケールの構造を確認,あるいはその構造により表面間の相互作用をどの程度制御できるかを確認するための計測法として,基板上の分子膜を直接可視化する技術の確立を進めている.光学的な手法を用いて非破壊でかつリアルタイムに可視化できる手法を開発している.膜厚分解能1Åで極薄高分子膜を直接可視化する技術の実現をめざしている.

 

以上のように,計測法・加工法の高感度化・高精度化により,分子スケールの表面構造と機械特性の相関を解明し体系的な理解を図る.さらに,これらの知見をもとに,生物の分子モータのような従来の機械とは全く異なる原理で動作する画期的な微小機械の実現をめざしている. 

 


略歴

1985年 名古屋大学理学部物理学科卒業
1987年 同大学大学院工学研究科応用物理学専攻修士課程修了
  
同年      日本電信電話株式会社(NTT)入社
1997年 博士(工学)
2000年 名古屋大学大学院工学研究科 助教授
2004年 科学技術振興機構さきがけ(JST-PRESTO)研究員を兼任
2007年 名古屋大学大学院工学研究科 教授


所属学会

日本機械学会,日本トライボロジー学会,日本応用物理学会会員


主な論文

(1) K. FukuzawaT. OhkuboJ. Kishigami, and Y. Koshimoto, "Kerr Effect Microscopy Imaging of Recorded Domains on Perpendicular Magnetic Recording Media," IEEE Transaction on MagneticsVol.28 pp. 3420-3422 (1992).
(2) K. Fukuzawa, Y. Tanaka,S. Akamine,H. Kuwano, and H. Yamada, "Imaging of Optical and Topographical Distributionsby Simultaneous NSOM/AFM with a Microfabricated Photocantilever", Journal of Applied Physics," 78, pp. 7376-7381 (1995).
(3) K. Fukuzawa, K. Yanagisawa, and H. Kuwano, "Photoelectrical Cell Utilizing Bacteriorhodopsin on a Hall Array Fabricated by Micromachining Techniques"
Sensors and Acuators," Vol. B30, pp. 121(1996).
(4) K. Fukuzawa and Y. Tanaka, "Apertureless Near-field Optical Microscopy with Differential and Close Proximity Detection," Applied Physics Letters
vol. 71 pp. 169-171 (1997).
(5) K. Fukuzawa,  S. Itoh, and Y. Mitsuya, "Fiber Wobbling Shear Force Measurement for Nanotribology of Confined Lubricant Molecules,"IEEE Transaction on Magnetics, Vol. 39, No.5, pp. 2453-2455 (2003).
(6) K. Fukuzawa, S. Itoh, T. Ando, K. Takahashi, H. Zhang, and Y. Mitsuya, "Lateral force measurement using a probe fiber as a microlens,"Journal of Applied Physics, Vol. 95 No.9, pp. 5189-5191 (2004).
(7) K. Fukuzawa, J. Kawamura, T. Deguchi, H. Zhang, and Y. Mitsuya, "Disjoining Pressure Measurements Using a Microfabricated Groove for a Molecularly Thin Polymer Liquid Film on a Solid Surface,"  Journal of Chemical Physics, Vol. 121, No. 9, 4358-4363 (2004).
(8) K. Fukuzawa, A. Nakada, Y. Mitsuya, and H. Zhang, "Direct Visualization of Molecularly Thin Lubricant Films on Magnetic Disks by Ellipsometric Microscopy with a White Light Source ," ASME Journal of Tribology, Vol. 126, No. 4, pp.755-760 (2004)
(9) K. Fukuzawa, S. Itoh, K. Suzuki, Y. Kawai, H. Zhang, Y. Mitsuya, “Diffusive Motion of Molecules in Submonolayer Liquid Film on Solid Surface,”
Physical Review E, Vol. 72No.6, pp. 061602-1 -7 (2005).
(10) K. Fukuzawa, T. Deguchi J. Kawamura, Y. Mitsuya T. Muramatsu, H. Zhang, "Nanoscale Patterning of Thin Liquid Films on Solid Surfaces," Applied Physics Letters, Vol. 87, No. 20, pp. 203108-1 -3 (2005).
(11) K. Fukuzawa, S. Terada, M. Shikida, H. Amakawa H. Zhang, Y. Mitsuya, “Dual-Axis Micro-Mechanical Probe for Independent Detection of Lateral and Vertical Forces,”
Applied Physics Letters, Vol. 89, pp. 173120-1 -3 (2006).
(12) K. Fukuzawa, T. Yoshida, S. Itoh, H. Zhang, “Motion Picture  Imaging of a Nanometer-thick Liquid Film Dewetting by Ellipsometric Microscopy with a Sub-μm Lateral Resolution,”
Langmuir, Vol. 24, No. 20, pp. 11645-11650 (2008).
(13) K. Fukuzawa, T. Muramatsu, H. Amakawa, S. Itoh, H. Zhang, “Nonuniform Distribution of Molecularly Thin Lubricant Caused by Inhomogeneous Buried Layers of Discrete Track Media,”
IEEE Transactions on Magnetics, Vol. 44, No. 11, pp. 3637-3640 (2008).
(14) K. Fukuzawa, K. Hayakawa, N. Matsumura, S. Itoh H. Zhang, “Simultaneously Measuring Lateral And Vertical Forces with Accurate Gap Control for Clarifying Lubrication Phenomena at Nanometer Gap,”
Tribology Letters, Vol. 37, No. 3, pp. pp. 497-505 (2010).
(15) K. Fukuzawa, Y. Yamauchi, Y Naito, S. Itoh, H. Zhang, “A New Method for Measuring Normal Forces with Accurate Gap Control Using a Microfabricated Quartz Resonator for Lubrication at Nanometer Gaps,”
Tribology Letters, Vol. 43, No. 3, pp. pp. 121-128 (2011).


趣味

今年14歳と11歳になる子供たちと遊ぶこと.ただ,最近はあまり遊んでくれないのが悩み.